経営手がかりシート・1666

(令和3年(2021年)9月版)

 

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1666特許出願対象の技術を絞る検討

 

●テーマ名(詳細版)

  公開不可避の技術のうち、特許出願する対象の技術を絞る検討

 

テーマの説明

 このテーマは、性質上、対外的に公開不可避である技術のうち、特許出願する対象となる技術を絞ることに関するものです。このことにより、特許出願に関する効率性を高めることができます。

 自社の強み(競争力の源泉)のなかには、自社の事業活動に伴い、対外的に内容が明らかになることが不可避なものもあります。対外的に内容が明らかになる前に、特許出願をしたいと思うところです。しかしながら、自社の予算の都合上、網羅的に特許出願を行うことが困難となることがありえます。また、自社の予算内で網羅的に特許出願が出来るとしても、特許出願に関する活動の効率性が低くなる恐れもあります。

 そこで、自社が有する(あるいは今後獲得する)技術のうち、いずれの技術を特許出願の対象とするかを検討することになります。

 この検討に際しては、自社の経営戦略・ビジネスモデルの根幹は何であるのか(何が利益の源泉であるのか)を確認することと、経営戦略における、特許出願のそれぞれの位置付け・目的・期待する利益は何であるのかを確認することが、望ましいです。例えば、自社製品のうち、消耗品の販売が利益の源泉となるのであれば、当該消耗品に特許出願を集中させるといった判断も出来ます。

 自社が特許を取得した場合に、当該特許を回避した代替品を他社が提供しうるかという観点も、特許出願するか否かの判断材料になります。代替品がありうる場合は特許出願する効果は薄いです。

 自社が特許を取得した場合に、特許権侵害を発見しやすいかという観点も、特許出願するか否かの判断材料となります。例えば、物を生産する方法に関する発明については、物を検証しても生産に用いられた方法が分からないのであれば、特許権侵害を発見しにくいと言えます。特許になったときに特許権侵害を発見しやすい発明を優先的に特許出願することが望ましいです。

 

参考テーマ

 

0616…経営戦略・ビジネスモデルの構築

 経営戦略・ビジネスモデルを検討することにより、特許出願する対象の技術を絞る検討を行うのに必要な判断材料を得たい場合。

 

1646…特許出願の目的の明確化

 特許出願の目的を明確にすることにより、特許出願する対象の技術を絞る検討を行うのに必要な判断材料を得たい場合。

 

●事例

 

・ココがポイント! 知財戦略コンサルティング 〜中小企業経営に役立つ10の視点〜

2009年3月 特許庁

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1247689

pp.41-49

株式会社エルム

「機械装置に関して特許を取っても、回避する手段はいくらでもあることが多い。

シンプルなものほど特許を回避することが難しい

複雑な構造に関する特許は回避されやすい。

効果の高い部分を狙ったピンポイントによる特許出願の戦略をとっている。」

 

 

 

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